2009年9月、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を引き起こす原因たんぱく質が、熊本大学の尾池雄一教授率いるチームによりついに発見されました。
熊本大学の尾池雄一教授は、肥満や糖尿病、動脈硬化症の患者の血液中で、Angptl2というたんぱく質の濃度が高いことを発見。このたんぱく質をヒトの血管の細胞に作用させると、白血球を呼び寄せて炎症につながることを確認しました。
Angptl2は脂肪組織で慢性的な炎症を起こし、最終的に糖尿病が発症するメカニズムを確かめたことにより、新たな治療薬開発につながる成果となり、将来の治療とメタボと糖尿病の予防に期待が寄せられています。
この成果はアメリカの科学誌「セル・メタボリズム」に発表の予定です。当サイトでも続報を予定しております。
体内で慢性的な炎症があると様々な生体物質が作られ、インスリンの働きが悪くなって血糖値が高まるなど病気の引き金になることが知られていました。
今回発見されたメタボ犯人たんぱく質であるAngptl2を働かないよう遺伝子操作したマウスに、脂肪の多い餌を与えても、通常のマウスよりも血糖値が低く抑えられ糖尿病を発症しなかったことから、脂肪分自体は直接糖尿病の原因ではないことが示唆されます。
過度のダイエットが危険であるだけでなく、脂肪そのものの害が科学的に否定されるようになれば、人々の健康に対する認識が根底からくつがえる可能性も秘めています。
DHAが豊富なマグロやカツオなどの赤身魚が身体によいことはわかっていても、高級魚でそうそう家庭の食卓には出せません。
今、クロマグロは絶滅危惧種の指定も検討される希少高級魚であることはもちろん、マグロに比べれば遥かに身近なカツオでさえ昔から、女房を質にいれても初鰹、と歌われる庶民のぜいたくでありました。
町の魚屋さんやスーパーに並ぶ養殖魚は庶民の味方ですが、二流品のイメージや飼育いけすの薬品問題で、買うのをためらう方もいることでしょう。
ところで、養殖マグロならではのメタボ改善効果があるとしたら、多少高くても、養殖物の二流品のイメージがあっても、健康が気になるご家庭では考えが変わるのでは?と期待される新技術が開発されました。
総合商社の双日(旧ニチメン・旧日商岩井)が、メタボリックシンドロームなど生活習慣病の予防に米ぬか成分を餌に用いたクロマグロの養殖を始めると発表したのです。
双日の広報によれば、「天然マグロに比べて付加価値が少なかった養殖マグロに、新たな価値が生まれるのでは」と、東京海洋大学と群馬高専の協力を得て、米ぬか成分を餌に用いた新手法でのクロマグロ養殖を開始。
東京海洋大の研究では、米ぬかに含まれる「オリザノール」に、抗糖尿病ホルモンの分泌促進による抗2型糖尿病作用や、炎症などに深くかかわる転写調節因子である NF-kBの活性化を緩やかに阻害する抗炎症作用のほか、アルコール摂取に伴って引き起こされる肝機能障害の改善作用もあることを明らかにしており、魚類では、オリザノールの吸収・蓄積効率が哺乳類に比べて数千倍で、これを摂取することで脂質の代謝が強まるとのこと。このため、養殖魚の餌に含むことで、効率的な養殖が可能になるというものです。
2011年秋の出荷を目標に、米ぬか養殖メタボ対策クロマグロが元気にいけすを泳いでいます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090901-00000002-cbn-soci
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)は、糖尿病やぜんそくなど持病のある人には重症化しやすい危険が報道されています。
しかし、それらのれっきとした病気だけでなく、肥満や、外見上はわからない隠れ肥満のメタボリックシンドローム、そして健康な女性の妊娠期でさえも新型インフルエンザの重症化要因であることが明らかにされています。
なんとフランスの研究チームの分析により、肥満などメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や妊娠は、新型インフルエンザによる死亡の危険性を高める恐れがあることが、明らかになったのです。
この研究論文は欧州の専門誌(電子版)に掲載されました。
従来、肥満は、これまでの季節性インフルエンザでは死亡の危険因子とは考えられておらず、新型の特徴である可能性が指摘されています。
フランスの研究チームが分析したのは、WHO(世界保健機関)などが発表したデータをもとに、2009年4月〜7月に新型インフルエンザで死亡した27か国の574人の症例。
調査対象574人のうち、生前の健康状態が分かる241人のうち9割に持病が確認できています。
その持病のうち最も多かったのが、全体の3割を占める肥満や糖尿病などのメタボ患者。
また妊婦は、死亡した20〜39歳の女性の3割で、季節性インフルエンザと同様に新型でも死亡の危険性が高まるとみられています。
新型インフルエンザの重症化は、メタボ患者と妊婦だけで合計6割にもおよぶ戦慄の結果が明るみになったのです。
これから赤ちゃんを産む妊娠女性の方は、医学的にはまったく健康であっても、充分に念入りな対策が必要です。
そして言うまでもなく、メタボリック症候群に該当する方は男女を問わず厳重な注意と細心の医療機関受診を心がけてください。
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