今、プールの中で歩く「水中ウォーキング」が人気です。
陸上での運動に比べて水の浮力や水圧の影響で関節や腰への負担が軽い反面、運動効果は高いです。
暑くなるこれからの季節、汗や紫外線を気にせず、気軽に運動不足を解消できる水中ウォーキングはいかがでしょうか?
東京都江戸川区のコナミスポーツクラブ西葛西の30分間の水中ウォーキングの教室では、インストラクターの梅田信彦さんの声に合わせ、参加者がプールの中をゆっくりと歩いていきます。
近くに住む海藤頼子さん(66)は6年前、ひざの治療に通っていた病院の医師に勧められて始めた。
「最初は水の抵抗で前に進むのが難しかったけれど、今は友達とおしゃべりしながら歩くのが楽しい。週に5日ほど通っていて、体調もいい」と笑顔で話します。
参加者のほとんどは中高年女性。
でも、梅田さんは「速く歩くほど水の抵抗でエネルギー消費が大きくなる。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策やシェイプアップにもつながるので、体力に自信のある男性や若い女性にもお勧めです」と説明します。
20年にわたり、水中運動の研究を続けている国士舘大学体育学部准教授の須藤明治さんによると、水中ウォーキングには陸上での運動に比べ、さまざまな利点があるといいます。
まずは浮力の効果です。
須藤さんは「浮力のある水中では、体にかかる負荷が陸上の半分から3分の1程度になって、関節や筋肉にかかる負担が軽く、足腰に痛みがある人や肥満の人も無理なく運動できる」と説明します。
陸上で常に体を支えている筋肉が、水の中では重力の負荷から解放されリラックスすることで、凝りや血行不良が改善されるといいます。
もう1つは水圧による影響だ。水深1.3メートルのプールなら、下半身には最大1.13気圧がかかることにより、適度な水圧で血液の循環がよくなり、老廃物のたまりがちな静脈血が心臓に戻され、足のむくみの解消などにつながるといいます。
また、水中では水の抵抗があらゆる方向からかかるため、全身の筋肉がバランスよく鍛えられるというメリットもあるそうです。
では、実際に始める際、どんな点に注意すればいいのでしょうか?
須藤さんは「最初は水の抵抗で歩きにくく感じるので、まずは負荷の軽い横歩きから。無理せず、水の中の気持ちよさを味わって」とアドバイスします。
慣れてきたら、両手を前に組んだり、歩幅を大きくとったり、ひざを高く上げるなど、手足の動きや速度を工夫してみましょう。
「1回でもリラクゼーション効果は得られますが、これまでの研究で1回30〜40分程度の歩行を週2回、3カ月以上続けると、体が引き締まり、腰痛や肩凝りの改善、生活習慣病の予防につながります」と須藤さん。
水中ウォーキングは1人でもできますが、一緒に楽しむ仲間を作ることが長続きするコツです。
最近は、歩行者専用レーンや専用プールも増えていて、気軽に始められる環境が整ってきました。
各地のスポーツクラブのほか、水中運動の教室を開く自治体も多いので、まずは参加してみてはいかがでしょうか?
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