メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の特定健診・保健指導(メタボ健診)が昨年4月に始まってから、1日に歩く歩数に注目が集まっているそうです。
一般的に生活習慣の改善として1日10,000歩歩くのが望ましいとよく言われますが、実際にどれくらい歩いているものなのでしょうか。
また、歩くことは健康を維持するうえでどのような効果があるのでしょうか。
歩数に対する関心の高まりは、豊富になった歩数計の種類にも表れています。
家電量販店の中には、歩数計がずらりと並ぶ売り場を設けている店舗もあって、売り場の担当者は「メタボ健診が始まってから売れ行きが良くなった。男性だけでなく、女性も買うようになったのが最近の傾向」と話しています。
ラジオや防犯ブザーといった付加機能を充実させたものだけでなく、携帯電話にあらかじめそのような機能が施されたものもあります。
歩数計が性別や世代を超えて浸透しつつあることを実感させられます。
私も実際に歩数計を身につけて約1週間、計測してみたところ、1日平均10,000歩前後でした。
厚生労働省の平成19年国民健康・栄養調査結果によると、日常生活での歩数の平均値(20歳以上)は男性7,321歩、女性6,267歩です。
デスクワークが中心の仕事にもかかわらず平均値を上回ったのは、歩いて頻繁に往復しなければならない社内の別の部署までの距離があることと、エレベータをあまり使用しなかったことが要因かもしれません。
ちなみに、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の目標値は、男性9,200歩以上、女性8,300歩以上。厚労省の調査結果では、男性の71・3%、女性の73・0%がこの目標値に達していないのが現状です。
では、なぜ1日10,000歩が望ましいのでしょうか。
大阪体育大学(大阪府熊取町)の滝瀬定文教授(スポーツ医学)は「その人の体重にもよるが10,000歩は300キロカロリーの消費に相当する。これぐらいを消費しなければ、基礎代謝量(生命を維持するのに必要な最小のエネルギー)は上がらないし、太ることになる」と説明しています。
滝瀬教授によると、基礎代謝量は、10代の1日平均を1,300キロカロリーとすると、20代1,209キロカロリー、30代1,188キロカロリー、40代1,162キロカロリー、50代1,122キロカロリーと加齢とともに低下していくのだそうです。
適度な運動をせずに食べる量が変わらなければ、体内に蓄積される脂肪が増えるのは当然です。10,000歩で消費する300キロカロリーという数字は、そうならないための妥当な数字といえるでしょう。
一方で、ダイエットとまではいかなくても、食事量を制限することで体重管理ができるようにも思えますが、滝瀬教授は「筋肉は使わなければ弱くなる」と指摘します。
また、骨密度の低下を防ぐためにも歩くことは有効で「食事で取ったカルシウムを生かすには、適度な運動で骨に負荷を加えることが必要」といいます。
まったく歩かなければ、股(こ)関節が弱くなり、将来的には歩行が困難になるという事態も想定されます。
歩数を増やすために歩数計は効果的な道具です。
現状の歩数を把握することができ、目標を設定しやすく、数字が励みにもなるためです。
また、長時間歩くのであれば、自分の足に合ったウオーキングシューズを履きたいものです。
「生涯にわたる健康づくりのため、まずは運動しようという気持ち、態度をもつこと。そして、続けることが大切です」と滝瀬教授はアドバイスしています。
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